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書評「物語のおわり」 [書評・映画評]


物語のおわり (朝日文庫)

物語のおわり (朝日文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: 文庫


8章からなるオムニバス小説。1章を除いて他はすべて一夏の北海道の物語となっている。前章の中心人物が次章でのつなぎ役となり、湊かなえの小説によく見られる時系列トリックはなく、正しく時系列通りに話は進められていく。
それぞれ自分のこれからのことに悩みを抱えた5人の男女が北海道を一人旅する物語。彼らに順繰りに、まるで伝言ゲームのようにプリントアウトされて綴じられた紙束が渡されていく。それは「空の彼方」と題された、誰かの自伝のような青春小説。しかし物語はクライマックスに来て突然終わってしまう。結論が書かれていない。彼らはその結論を考えながら、自分たちのこれからのことを照らし合わせて考えていく。

1章が「空の彼方」の全文。2~6章までがそれぞれの物語。出産間近の主婦、卒業を控えた女子大生、家の後を継ぐことになりカメラマンの夢をあきらめる若者、アメリカ行きを勝手に決めた娘を持つライダー、結婚に踏み切れずに仕事一筋に生きたキャリアウーマン。彼らは自分たちのこれまでと「空の彼方」の人物を重ねて先を思ってみる。

7章と最終章は種明かしとなる。最初にこの「空の彼方」を手渡した女子高校生は、なぜこの小説を持っていたのだろうか。7章でこの高校生の正体が明らかになる。ただしこの章の主人公はある男性。純粋には一人旅ではなく、ある目的で北海道に来たのだが、彼も悩みを持っていた。そして彼も「空の彼方」を受け取ったのだが、彼にはこの小説を書いたのが誰なのかが推測できた。

最終章はこの女子高校生の物語。この章だけ二人旅tなっており、当然ながら彼女はこの「空の彼方」を手渡されてはいない。しかし実質的には受け取ったのと同じ状態になる。そして小説には書かれてはいないのだが、おそらく彼女もこの話が終わった後に受け取ることになるのだろう。7章の男性と会うことが確定しているのだから。


湊かなえは「イヤミスの女王」と呼ばれている。嫌な気分で読み終えるからということで。だからこの小説にはわざわざ本人直筆で「これはイヤミスではないよ」とメッセージカードが付けられている。しかし嫌らしい作品だ。いつも結末が嫌だと言うのなら、自分で結末を考えて見ろ、と投げ出したような物だから。読者はこれにだまされる。結果、各章の主人公達も結末がどうなったのか書かれていないのに、そのことを忘れさせてしまう。

そして、最終章で実は「空の彼方」には正式な結末が存在していたと言うことがあかされる。なんのこっちゃ。しかも、小ネタで、こっそり伏線が張られていたことを知らせる。驚きましたね。あの章のあの人物と最終章でのこの人物に、実は当人も知らない関係があっただなんて。当人同士、もし会ったなら驚くでしょうね。伝言ゲームだから会うことはないんだけれど。

最終章で、ネットでの評判は怖いと書かれている。湊かなえの実感でしょうね。デビュー作で散々叩かれたのだから。めちゃくちゃ面白かったんだけどね。

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映画「祈りの幕が下りる時」 [書評・映画評]

祈りの幕.jpg
作家としての東野圭吾は好きではない。彼はおそらく中学高校時代に学校で嫌なことがあったのだろう、教育現場に対する異常なまでの偏見が作品の中に見られる。学校や管理職は事なかれ主義で、体面だけを繕い、反する生徒を消し去り臭い物に蓋をするものばかり、教師は自己保身と出世欲と生徒を自らの快楽の対象としか見ない者ばかりとか。とにかく描き方が歪んでいるので読んでいて気分悪くなるから読まないことにしているのだが。

しかしこの映画は絶賛の拍手を送りたい。教師が一人だけ出てきて、お決まりのようにゲスなんだけど、そこは許してあげよう。
批評家は「東野版「砂の器」」と評した。映画を見ていてかの名作「砂の器」を思い浮かべたのは「砂の器」を知っているすべての人だろう。哀しい定めにあった親子の切ない物語。終盤犯人によって語られるこの場面には涙なくしては見られない。そして「砂の器」以上の評価が出来るのは、あの映画が結局は犯人の保身のために行われた殺人であるのに対し、この物語はお互いが愛するための犯行だということ。加害者は愛するが故に殺人を犯し、被害者はありがとうと言って息が絶える。あまりにも切なすぎる。

TVで「新参者」シリーズとして放送された物語の映画化第二弾であり、同時に最終話となっている。上述のことでTVは見なかったが、先の映画「麒麟の翼」は日本映画チャンネルでの放映を録画していて、ずいぶん経ってから見たがはまってしまった。ネットでシリーズを検索してその世界観を読んだので、シリーズを見ていなくても状況は理解できたので困ることはなかった。

主人公は加賀恭一郎という、なぜか日本橋から離れようとしない刑事。彼の母親が少年時代に謎の失踪をしていて、そのことから刑事であった父親と対立。従兄弟の松宮も刑事をしていて、二人はよくコンビを組む。彼もなかなかの凄腕の刑事。すぐれた直感を頼りにしての捜査が当たることが多い。

一人の女性の腐乱死体がある部屋で発見され、その部屋の住人の男が行方不明となっている。松宮は同じ時期に起きたホームレス焼死事件と関係があるのではと思い、調査結果同一人物と判明。
亡くなった女性は滋賀県から一歩も出たことがない女性と判明。なぜ東京に来ていたのか。仕事で訪れた老人ホームの名前も不明のわがまま老女が中学同級生の母親であることに気づき、それを口実に、今は有名舞台演出家をしている元同級生の女性を訪れようと思ったらしい。そしてその舞台演出家を訪問した松宮刑事は、帰りしなにチラッと見た壁の写真に、彼女と一緒に写っている従兄弟である加賀恭一郎を見つける。

加賀に会った松宮はちらっと、現場に残されていたカレンダーに毎月日本橋近辺の橋の名前が書かれていることを漏らすと、加賀は仰天した。16年前に孤独死した失踪した母親の遺品となったカレンダーに書き込まれていたのとまったく同じだったから。母の遺品を預かった人の話では、晩年の母には恋人と呼べる親しい人がいたとか。その人から加賀の住所を聞き連絡が取れたようだ。しかしその彼も行方不明。筆跡鑑定から二つの書き込みは同一人物と判明。殺されたホームレスの男は加賀の母親の恋人だった。

橋の捜査を行った加賀は、過去の写真から誰かと連絡を取っている舞台演出家の姿を発見した。やはり彼女が事件に絡んでいる。しかし腐乱女性殺害事件の犯行当日をはさむ数日間は舞台演出のため劇場を一歩も出ていなかった。関係性はつかめても捜査は行き詰まりを見せていた。何かまだ調べていないことがあるはずだ。そして加賀は思いついた。調査していない人物が一人だけ残されていた。それは自分だった……

舞台演出家の関係者をたどっていくと自分の母親につながり、それは自分ともつながっているということ。そして自分自身がその舞台演出家と3年前に知り合いになっていたと言うこと。彼女は何故自分に会いに来たのだろうか。そもそも母が亡くなった時に自分の住所を誰が調べて遺品管理者に教えたのか。住所の件はすぐに判明。彼が剣道大会で優勝した時の剣道雑誌を見て雑誌社に連絡を取ったらしいが、それが舞台演出家の女性だった。彼女と母の恋人とどうつながるのだろうか?

迷宮入りと思われた事件が、舞台演出家の彼女が3年前に加賀に会ったことから切り崩されていく。松宮がついに最後の重要人物の存在を見つけ出していく。そして同時に、加賀は舞台演出家が中学時代に飛び降り自殺で亡くなったはずの父親の隠された事実を見つけ出していく。
加賀が彼女をさりげなく訪問し帰った時に、彼女は彼が訪問した真の目的に気づき、すべての事実が知られてしまったことに気づく。そして舞台最終日、涙なしには見られない告白が始まる。

しかしこの犯人、警察は犯行を立件することができるのだろうか。
警察への連行はあくまでも逮捕でなく重要参考人調書となるはずだ、なにしろ、一つ目の殺人に関しては何の関わりもないことがはっきりしており、加害者はすでに死亡しているのだから。そして二つ目の殺人も、被害者はすでに戸籍抹消された人物であって、生存証明されない限り犯罪は成立しないはず。あるのは犯人の告白だけであって、証拠は一つも存在しない。証拠不十分で釈放というところだろう。形としては迷宮入りの事件であって、警察内部だけ解決済みの事件とするのがすべての関係者にとって良い方向ではないかと思われる。そうでもしないと、彼女のために亡くなった人物が浮かばれない。


シリーズにとっての重大な謎が今回の事件をきっかけに解かれていく。母親がなぜ失踪したのか。加賀はなぜ日本橋にとどまり続けるのか。謎が解かれてしまったために今回でシリーズ終了となるようだが、この二つの謎とは別にシリーズは続いても構わないというのが皆の意見だろうし、舞台挨拶でも出演者がぜひ続編を書いて欲しいと要望したそうだ。東野圭吾が嫌いだから本を読むのはためらうのだが、このシリーズ、読みたいと思う気持ちと戦っている。まあ「麒麟の翼」はぱらぱらと立ち読みしたからいいだろう。(あちらも学校の扱いはひどかったが)
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映画「嘘を愛する女」 [書評・映画評]

嘘女.jpg
実際にあった事件をモデルにした映画。
元の事件は、5年間一緒に暮らしていた男が亡くなり、死亡届を出そうと役所に行けば、戸籍は偽物で、名前も本籍地も実在せず、この人は誰だったのか、本人が亡くなった今となっては調べようがなくなったと言う。
この事件をある人が本に取り上げ、それを読んだ人がこの物語を思いついたという。
映画化に先立って小説版も書き起こされたのだが、本屋でパラパラと見た感じではかなりの部分が違っていたり。はっきり言って小説は稚拙が目立って読もうとは思えなかった。映画の方も気になる点は多い物のまだましかなという印象。

物語は、公園でくも膜下出血で倒れている男(高橋一生)が発見される。病院に運ばれたが意識不明のまま。警察が男と一緒に暮らしている女(長澤まさみ)の元を訪れ、男が持っている免許証や身分証明書が偽造された物で、住所も名前も嘘だという。
震災の日に助けてもらって出会い、その後偶然街で見かけて家に連れて行って一緒に暮らし始めて5年、彼のことを何も知らなかったことを思い知らされる。
男の持ち物を探しても、どこかコインロッカーの鍵が見つかっただけで、本人確定の物は何一つ見つからない。勤めているはずの所に行けども、そんな人は過去も現在もいないと言われ、途方に暮れた中、偶然にも同僚の叔父が探偵をやっているという話を思い出し、同僚には内緒で探偵事務所を訪れる。パソコンに詳しい助手(DAIGO)と二人でやっている探偵(吉田鋼太郎)が姪の友人だと言うことで引き受けるが、まったく手がかりがつかめない。
そんなある日、女の家の郵便ボックスを勝手にあさる謎の女性(川栄李奈)を発見。どうやら男をつけ回しているストーカー女のようで、探偵と一緒にストーカー女のバイト先の喫茶店に出向く。そこで知ったのは、男がいつもパソコンで何かを書いていたという。家にはパソコンがないはずだが、あのコインロッカーの鍵がそのパソコンを隠していたロッカーの鍵だと言うことが判明。パソコンを取り出し、パスワードをハッキングすると8桁の数字が出て来る。日付らしいがその日付は男が女と出会う前の日付となる。
パソコンの中には書きためていて途中になっている私小説らしい物語が出てきた。描かれる瀬戸内海の風景と頻繁に出て来る「灯台」という言葉を頼りに女は瀬戸内海の灯台を探し回る。
ある島で男によく似た人物を見かけたという。その島の灯台で男が隠したと思われる「宝物」を発見する。この島に間違いはない。しかし……


気の遠くなるような物語である。そして穴も多い。
結局は目撃された人物は別人だったと判明するのだが、だったらあまりにも偶然すぎる。その灯台で証拠品が発見されたこととの整合性がまったくない。そして物語はさらなる偶然によって男の身元が判明するのだが、ならばつじつまが合わないことに映画も小説も何も問題を感じていないようだ。

結局どうなるのか、話の先も描こうとはしない。自分勝手で嫌な性格のキャリアウーマンがその後どうなっていくのか語ろうとはしない。前半あれだけ仕事内容に触れていたのに、後半一度たりとも会社の話が出てこない。仕事を辞めていてもいいんだし、自己を反省して仕える立場で仕事を再開してもいいのだが、それさえ不明。物語の流れとしては不親切。まあ長期仕事を休んで男の調査をする理由付けをしただけのことなんだろうが都合良すぎる。

探偵の家庭状況も出て来るが、蛇足にしか感じない。こんなエピソード必要ないだろう。
小説版には登場しないストーカー女がその後頻繁に探偵事務所に侵入してくる。パソコンの出来る助手に興味を持って近づいて来たのだろうか、それも中途半端。出すなら出すで、たとえば最後に二人がデートでもしている場面を出せば良いのに。そんなことさえしないのなら、途中で出す必要ないだろうに。

余談だが、長澤まさみの笑いこけてる場面、福田彩乃としか見えなかった。
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書評「りゅうおうのおしごと7」 [書評・映画評]


りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)

  • 作者: 白鳥 士郎
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2018/01/13
  • メディア: 文庫


2年連続「このラノベがすごい!」第1位を獲得したロリコン本格将棋ラノベ第7弾
今回も変態度は健在で、17歳主人公が2歳年下の「姉弟子」中学生女子を連れて、真面目な将棋の研究会後に毎度ラブホに連れ込み、変態プレイに明け暮れるという。いやいや一応社会的地位を得た少年が中学生女子を怪しげなホテルに連れ込む自体で、公になればいくら同意の下とは言え、炎上どころか責任問題で釈明会見を開かないといけないことになりそうなんだが。もしそうなったとして、おそらく姉弟子は「妊娠はしていません」とかの、誤解を生みそうな発言をしそうな気がするが。

今回は主人公の師匠、清滝鋼介九段が主役の物語。過去名人挑戦2回の実績を持ちながら、棋力の低下によりB級2組まで落ち、さらにはC級への陥落危機にある。もしC級陥落なら引退するという宣言をするが、現実のこととなりつつあり、本人も周囲もあせる。取るべき道は2通り。プライドを持ったまま潔く引退の道を選ぶか、プライドを捨てて若手に頭を下げて教えを請うか。どちらも選べない彼は両方並立の道を探すが、誰にも相手にされず邪魔者扱いされるだけ。奇しくも最終戦は主人公のライバルで、過去順位戦全勝を続け、順位が低いため全勝することで文句なく昇級を決めようとする相手。降級と昇級をかけた大一番が控えていた。

作者はおそらく将棋組織の規則に疎いのだろう。またしても女流棋士昇級規定を間違えている。
以前も第5巻で、一番弟子のプロ入りに関して、マイナビ本戦進出を果たしているのだから、研修会C1昇級と同時に、女流3級ではなく女流2級でプロ入りのところ、女流3級と表記していた。おそらく間違いを指摘されたのだろう、6巻ではさりげなく女流2級になおしてあった。しかし今回もやらかして、マイナビ本戦ベスト4入りが決まった時点で女流初段に昇段のはずなのに、2番弟子を女流1級と表記している。架空の棋戦なら規定を好きに変えれば良いのだが、マイナビ女子オープンのみ実在の棋戦を使っているのだから正しくしてもらいたいところ。

今回は一番弟子と姉弟子は対局場面がない。まあプロ棋士がたくさんいるのだから、誰かが削られるのは仕方がないが、前巻で2番弟子に重大な欠点があるとほのめかしておきながら、それが書かれていないのは出し惜しみか。次回に出すのだろうか。
出し惜しみと言えば、主人公に関東では別のあだ名が付けられていると臭わせておきながら、結局何と呼ばれているのか書かずじまい。ちょっと気持ち悪い。

師匠の最終戦の対戦相手、はっきり言わずに延ばしておきながら、巻頭口絵でしっかり対戦場面を描いていれば何のために出し惜しみしたのやら。
口絵と言えば、一門会での挨拶の口絵と本文で、並び順が違っているのだが。

今回の主人公、天狗になりすぎて気分が悪かったが、最後に鼻をへし折られるという前振りになっているのだが、それでもやっぱり自信過剰すぎるのが気分良くない。結局は姉弟子にすがって泣き続ける場面につながって、二人の距離がぐっと近づいたということになるのだろうが。それにしても今回は姉弟子が素直すぎるくらい素直で、かなり拍子抜けしてしまう。まあ成長していくと言うことなんでしょうが。

今回は伏線が多く、次回に続くという部分が多くて、それはそれでいいのだが、次作は舞台が春になって新しい状況もふえるのでしょうね。「感想戦」の部分がどうなるのかも楽しみだが。

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アニメ「りゅうおうのおしごと」 [見たよ聞いたよ]

昨日から始まったアニメ「りゅうおうのおしごと」。思いっきり期待はずれでした。

原作冒頭の、将棋を知らない人に思いっきり勘違いさせる描写、コミックでは再現していたけれど、TV地上波では難しいからカットするのは仕方がないとしても、本編最初のエピソード、師匠との記念対局までカットするのはどうなんだろう。まあオシッコがテーマだから放送では難しいのかもしれないが、いろいろ省略かけながらでもできたのではないだろうか。あの部分、人物紹介も兼ねてるんだから、導入として必要だと思うのだが。

導入と言えば、原作冒頭の、大坂城での花見がてらの練習将棋の場面も、本編に入るための導入とした方が物語としては適切と思えるのだが、そうでなければ、主人公の意識の変化など伝わらないように思える。

いろいろカットが多すぎる。主人公が弟子入りする時の話とかもやはり必要だし、「弟子を取る」ということの意味などもばっさり切ってしまうのでは深味が全然伝わらない。

初めて将棋会館に連れて行って、道場での対局なども、原作ではとてつもない才能を見せつける重要な場面なのに、それもあっさりカット。いったい脚本家は何をしたかったのか。さらにJS研メンバーももっと後に登場するのに、いきなり全員集合はないんじゃないだろうか。登場人物紹介のつもりなんだろうが、ここで全員集合させる必要ないし、そもそも、もっと重要な人物は後にならないと出てこないんだからこういう演出にはまるで意味がない。小出しでもいいんだし。

現在コミックが6巻まで出ているけれど、この第1回でコミック第1巻を全部やってしまった。この後どうするんだよ。どうにもこうにも脚本のまずさばかりが目に付いてしまう。

主人公のライバル登場。あの独特のカタカナ語が出て来るのだが、まったく説明も何もない。テロップ出すなりなんなりできるでしょう。原作知っている者だけがわかればいいのかよ。まあ深夜放映だから、コアな人たちだけが見ているという前提なんだろうか。
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視聴率 [見たよ聞いたよ]

視聴率って「期待値」だってこと、なんで誰もわからないのだろう? 今年の紅白が歴代ワースト3位っていうのも、期待されてなかっただけのことで、見なかった人は損したはず。まあ録画した人や振り返りでも見られるから今の時代は。 連続ドラマでも初回の視聴率なんか内容とは関係ない。評判だけの数字であって、面白ければ噂を聞いて2回目以降数字が上がるし、だめだったら急激に数字が落ちる。だいたい瞬間視聴率なんて意味ない。紅白で出演順が発表されている物などはその時間にチャンネルを合わせる人もいるだろうが、生放送の中継でその時間に何が起きるのか予想できるはずもない。番組内で視聴率アップの工夫を予告なしで行っても、見ている人以外には伝わらないのだから、誰もチャンネルを掛け替えてはくれない。そんなこともわからないで「瞬間視聴率」を騒ぐなど意味がない。 まあ紅白の数字が悪かったのは、昨年がひどすぎたから見ようと思わなかった人が多かったということであって、お年のデキとは無関係。だから他局で毎年同じシリーズを続けていて視聴率を取っているのは立派だと言える。昨年面白かったので翌年も見たいと思う人が多いと言うことなんだから。
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映画「探偵はBARにいる 3」 [書評・映画評]

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札幌を拠点とする主人公の探偵(大泉洋)は、相棒である北大農学部助手の高田(松田龍平)が連れてきた後輩の学生から依頼を受ける。恋人である女子大生麗子(前田敦子)が行方不明になっているという。10800円の礼金で気軽に引き受けたが、実は大手ヤクザ組織の麻薬密売にからむ事件に巻き込まれていたと言うことが判明する。彼女が隠れてバイトをしていたモデルクラブを装う売春組織に潜入し、そこの経営を任されているマリ(北川景子)に出会うが、過去に会ったことがあるような気がした。実は数年前に路地で抜け殻のようになっていた彼女の世話をしたことがあったのだった。数年で何があったのか。そして彼女からも別の依頼を一方的に受けさせられて、またまた探偵は殺されそうになるのだった。しかも相手側には空手の達人である高田をもってしても勝てない男(志尊淳)がついていた。
おまけに依頼主の学生の話では、高田はニュージーランドの教授の下に学びに行くことが決まっているので、どうやらこれが二人で組む最後の事件になりそうだった。

「1」と「2」は映画館で見る機会を逸したまま、たまたま日本映画専門チャンネルで見てはまってしまった。だから劇場で見るのは今回が初めて。やはり映画は劇場で見るものだ。
このシリーズ、ヤクザがからんで殴り合いの場面が多いのだが、この世界観にはまってしまう。このシリーズヒロインを取り巻く環境が悲しすぎて後味が悪すぎる。やりきれなくなってしまう。でもそれがこの映画の魅力なのだが。

最後の最後、この映画らしく笑わせて終わってくれる。どうやらまだ続編があるようだ。設定に嘘がないのが笑わせる。
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映画「鋼の錬金術師」 [書評・映画評]

ハガレン.jpg
原作ファンにはめちゃくちゃ評判の悪い実写映画。
うちの娘もハガレンファンでコミックもアニメも見ていたので、僕はそんなに見てはいないのだが、一応設定とか内容とかは大まかには知っている。もっとも、カタカナ名前の登場人物が出て来る物語は他の小説とかでも苦手というか、イメージがつかめなくて誰が誰やらわからなくなるなどであまり読む気はしないから、このコミックもほとんど知らない。

で、結論から言えば、そういう者にとって向いている映画だと思う。すなわちそんなに思い入れもないけれど、その世界観はある程度理解している。

原作を知らない人には面白いかもしれないと言われているが、原作を知らなければ、何のことだかさっぱりわからないと思える。

架空の世界、科学と魔術を融合させたような錬金術が存在する世界。無から有を産み出すのではなく、等価交換、正確な原材料を使って別物を生成する技術。
母を亡くした少年が、人間の化学成分を集めて母親を再生しようとして失敗。愛する弟をも失いかけ、自らの身体を犠牲にして魂だけは呼び返したが、その身体は空洞の鎧。弟の身体と母を蘇らせるため、莫大なエネルギーを秘めた「賢者の石」を求めて錬金術師となった少年の冒険譚。
しかし精製に成功したとされる人造の賢者の石には恐るべき事実が隠されていた。

原作の中の一部を元に映画化されたのだが、原作となったエピソードは悲しすぎて読む気にはなれない。
そしてやっぱりカタカナ名前の人物にはついていけなかった。
面白いことは面白いんだが。
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書評「邪魅の雫」 [書評・映画評]

文庫版 邪魅の雫 (講談社文庫)

文庫版 邪魅の雫 (講談社文庫)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/06/12
  • メディア: 文庫



京極夏彦の百鬼夜行シリーズの一番新しい奴。
6人の連続殺人事件。しかし6人に何の共通点もなく、関係も見当たらない。ただ一つ、最後の1人を除く5人の殺害に使われたのが、特殊な毒薬であったというだけ。
時系列では白樺湖の事件の直後の亀捜索事件から一週間後と書かれてる。そして、先の事件で巡査に降格された青木刑事が後の事件で再び刑事として登場しているが、彼が刑事に復帰したいきさつが書かれている。ようするにこのシリーズは時系列が発表順ではなく、けっこう入り組んでいることを表している。薔薇十字探偵社シリーズの語り手である本島氏が名前だけひと言だけ出て来るのもご愛敬。

薔薇十字探偵社に榎木津礼次郎の従兄弟がやってくる。榎木津に持ち上がった3件の縁談話があり、相手側が乗り気なのにもかかわらず、まだ会いもしないうちに3件とも相手側から断りの連絡が来る。しかもその内の一人の相手の妹の女学生が、場所も離れた大磯で殺されたという。他の家でも断りの事情を告げず、3件の家に何らかの事件が起きているのではないか、榎木津の縁談をぶちこわそうとする人物がいるのではないかと言われ、榎木津本人が聞いていないことを良いことに、探偵見習いの益田に調査するように言われる。
困った益田は、榎木津の縁談を邪魔するような女性がいるのではないかと、京極堂に話を持ちかけ、その場にいた暇そうな小説家の関口とともに調べることに。
そして推測したのは、縁談相手3人とも誰かにレイプされそれで破談にしたのでは。そして、どうやらそのうちの一人が行方不明になっているらしい。
詳しい調査を行うために二人は殺害事件のあった大磯に向かう。

大磯に住む画家の西田新造は、モデルの女性が怪しい男にストーカーされていることを知って。話はほとんどしたことがないが幼なじみであり新聞記事で警察署長をしていると知った石井警部に相談する。ストーカーだけでは逮捕も何もできないと聞かされ、ならば自分が殺すしかないかもと思い込む。ちなみに殺人罪について聞くと、事情があれば10年ほどの刑だろうと聞いて、殺意を深める。石井刑事はその時の会話をなんとなく気にはしていた。

先の事件で降格した青木巡査は、通報を受けて商社マンの死体を発見する。外傷はなく毒物による物らしい。しかしなぜか組織的犯罪・社会的重大事件などを扱う公安が乗り込み捜査陣は不安を感じる。しかしなぜか連続殺人事件に指定されて警察合同会議が中心となるが、そのことにも疑問を感じる。先輩の不良刑事(降格してこれも今は巡査)木場に相談すると、毒物が特殊な物ではないかと言われ、上司に進言。ならば刑事に戻ってお前が独自調査をしろと言われる。京極堂を訪ねて毒物について相談すると、戦時中に開発が進められたが終戦で中止になって完成されていないはずの毒物の可能性がある。公安の刑事も被害者もその開発に関係していた可能性があり、その毒物をすみやかに回収するために公安が乗り出しているのだろうと聞かされる。そして操作に割り込む切り札を教えてもらった青木刑事は、同じ毒物で殺された女学生殺害事件があった大磯に向かう。

白樺湖事件で警察が嫌になり、突然退職して失踪した元巡査の大鷹篤志はあてもなく大磯にやってきた。そこで出会った女性真壁恵に厚かましくも格安の宿を紹介して欲しいと頼み、代わりにある女性の護衛を依頼される。いい加減な彼はあきらかに不審な尾行を重ね、さらにはその女性の行動が時間通りに正確であることから、その日も何も起こるはずがないと勝手に思い込んで手抜きをするが、その日その女性が殺害される。自分の責任は棚に上げ、一番怪しいのがつきまとっていた自分だと調べられていることを聞いても意に介せず、敵討ちをしないとと思い込む。

大磯の酒屋の従業員江藤徹也は、店に時々やって来る女性が気になっていた。たまたま届け物があった日、彼女と話が出来ると楽しみに家に寄るが、そこで彼女の死体を発見する。第一発見者として交番で話をするが、入ってくる情報は驚かされることばかり。彼女は偽名であり住所も不定。そして女学生と同じ毒物で殺されたことが判明して連続殺人事件と認定される。江藤は知っていた。その殺された女学生のことを。そして連続殺人ではないことも。

こうして大磯で次々起きる殺人事件に、容疑者・被害者を除くすべての関係者が大磯に集結。情報を付き合わせて6人全員の身元が判明するが、それでも共通点は見られない。唯一可能性があるのが、その何人かに榎木津礼次郎が関係していること。その彼等の前に現れたのは、事件のことは知らないはずなのに、何かを探しにやって来た榎木津礼次郎その人だった。
そして憑きもの落としにやって来た京極堂が、これらは別々の世界の物語だと考えないといけないと延べ、6人すべてに関係するある人物を指摘するのだった。


今回の作者の遊びは、各章の1行目に「死」に関係する言葉を入れていること。そして、プロローグのみ、「勘違い」という言葉で始めている。すなわち、この連続殺人事件は「勘違いによる殺人事件」をほのめかしている。

いつものことだが、記述者が多くて読みづらい。しかも数人は殺害をほのめかす人物であったり、殺害を行った人物だったり、異常な犯人の記述と思うと読むのが嫌になって読み飛ばしてしまう。

しかし、ラストで京極堂の解説を読んで、目から鱗というか、全体が意図する物が見えた瞬間にすっかり腑に落ちる。読みづらかった理由もはっきりして、この小説は結末を知ってから読んだ方が面白いことに気がつく。すると読み飛ばしていた部分が意味が明確になって読みやすくなったり。

ゲームでは舞台や登場人物が同じでありながら物語内容が異なる○チストーリーというのがあるが、これを推理小説でやるとこうなるんだと。記述者はあくまで自己体験の記述であって、神の視点ではないと言うことを強調するとこうなるという見本。

しかし相変わらず京極堂の説明は長くて難解。はっきり言って大学の授業。こんなのを現実でおとなしく聞いている事件関係者などいるわけがない。いっぱい突っ込みどころまんさいなのだが。


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コミック「3月のライオン 13 」 [書評・映画評]


3月のライオン 13 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 13 (ヤングアニマルコミックス)

  • 作者: 羽海野チカ
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2017/09/29
  • メディア: コミック


明日発売なのに、なぜか今日本屋に並んでいた。

空前の将棋ブームの立役者の一つ。
しかし、この春公開された映画を見るまで大きな勘違いをしていることに気がついた。
この「3月のライオン」の世界は、現実の将棋界を完璧にトレースしていると思っていたのだが、実は一つだけまったく違う世界観で描かれていた。それは、この世界には「女流棋士」という物が存在しないと言うこと。もちろん、プロ棋士でいまだかつて女性がプロ棋士になった事実はないが、そのことではなく、どの世界でも女流プロという女性だけの団体が存在するのだが、このマンガの世界では、将棋を職業にしている「女流プロ」という存在さえないということ。

このことは実は重大なことであって、主人公の義理の姉・香子がプロ棋士を目指していた時、そこには奨励会しか存在していなくて、そこで無理なら将棋の世界で生きていくことが出来なくなってしまうという事実。
現実の世界では、過去に何人もの女性の奨励会員が存在したが、彼女らは奨励会2級以上で退会すれば女流プロに鞍替えすることが出来、全員が女流プロになり、しかも全員がタイトル戦出場経験を持っている。もちろん、父親がプロ棋士でその娘が女流プロになった例もいくつもあるのだが、この「3月のライオン」の世界では、女流プロという物が存在しないために、奨励会を退会すればプロ棋士になる夢は断ち切られてしまう。そのことを前提として物語を読まなければいけなかったのだが、そのことに気づいたのがつい最近という。これで長年の謎が解けた。

閑話休題。

今回の第13巻はいつものことではあるが内容が深い。で、これまでと違って、ハラハラしながら読む場面も無く、安心して読める。もちろん対局場面はドキドキ物だが、不安感無く入り込める。
また、盤外の物語も引き込まれる。前巻ラストで予感された三角関係がどう展開するのか、まだまだ先は長そう。で、暗くてたまらないはずの死神男・葬儀屋の棋士の物語も心に響いたり。それから香子の物語も映画での展開をトレースしていくようで、この先がとても気になったり。

話はどんどん進んでは行くのだが、いつまでも続いて欲しいように思う。

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