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映画「母なる証明」 [書評・映画評]

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5年ぶりに映画出演となるウォンビン演じる、母親と二人暮らしの貧しい知恵遅れの青年が、女子高校生殺人事件の犯人として逮捕され、母親が必死になって真犯人を見つけようとする物語。

こんな後味の悪い映画も珍しい。
だからといって面白くないということではない。本当につまらない映画の場合にはコメントを書く気にもならないので、これまでにも見たのに評を書かなかった映画も多い。
この映画の凄さは、ネタバレしないことには書けない。

映画の冒頭、呆然とした表情で草原を歩く母親が映し出される。母親は突然踊り出してタイトルクレジットに入る。
ラストシーンを持ってきたのかと思ったが、あながち間違いではなかった。

前半、親子の歪んだ関係が描かれる。知恵遅れ故、たちの悪い悪友に引っ張られ、すべての責任をおっかぶらされてしまう青年と、極端に過保護で息子にかまいすぎの母親。そんな関係が、殺害現場近くに息子の名前が書かれたゴルフボールが落ちていて、酔っぱらいながら女子高校生の後をついていった目撃証言から犯人として逮捕されて一変する。

記憶力の乏しい息子に必死に思い出すようとさせる母親は、思い出してはならない思い出まで引きずり出してしまった。5歳の時に無理心中をしようと農薬を飲ませた記憶。

親子の絆をつなぎとめようとする後半、あらゆる事柄が逆転していって一気にミステリーに変じてくる。
青年にちょっと気があるのかと思っていた酒場のマダムの娘は、実は青年の悪友と深い仲だった。
真犯人だと思い込み決めつけていた悪友は、犯人を追いつめる方法を教えてくれて協力してくれる。
祖母思いで純情そうな被害者の女子高校生は、実は援助交際をいっぱいやっているとんでもない娘だった。証拠を撮りまくった彼女の携帯電話がなぜか紛失していた。その電話を見つけることが犯人に近づく道だった。

母親が自分を殺そうとしていると言って面会を断っていた青年は、非常に重大な事実を思い出して急遽母親を呼んでくれるように頼み込んだ。

そうして驚愕の真相が待ち受けている。
うーーん、予想の範囲ではあったが、しっかりこういう展開にしてくれますか。


この後、ネタバレになります。数段後に続く






ウォンビン演ずるこの知恵遅れの青年、実は知恵遅れを演じているのでは、と思わせる。
時折見せる表情、行動が知恵遅れとは思えない。
ラストで「孝行旅行」(韓国では子どもが親に旅行をプレゼントする習慣があって、それを「孝行旅行」と呼んでいる。ツアーまであるそうな)に出かける母親に息子がある物を手渡す時の表情は実に怖い。この瞬間、母親には真相がつかめたかのように思える。
そう思えば、彼が急に思い出して母親を呼んだことも、証拠隠滅を母親に頼んだのかもしれない。そうとは知らない母親が、ラストで息子の演技に気がついてしまった。それは母親が自分を殺そうとしたことの復讐だったのか。知恵遅れを演じ続けることで復讐をしようとしていたのか。
そして、とうとう二人は共犯になった。母親のしでかしたことを自分は知っているのだという脅しをかけ、逃れることの出来ない道に誘い込んだ。そんな風に読み込むと、この映画は実に怖ろしい映画に思えてくる。

ウォンビンって本当は怖い役者だったのかもしれない。




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ジジョ

こんにちは☆
>韓国では子どもが親に旅行をプレゼントする習慣があって、それを「孝行旅行」と呼んでいる。
↑そうなんですか!全然知らなかった。
何のお礼の孝行旅行なのか考えるとちょっと怖いですね☆
by ジジョ (2009-11-28 04:44) 

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