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映画「インセプション」 [書評・映画評]

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他人と夢を共有することで、潜在意識の中にある隠し事を見つけ出す、脳内ハッカーの物語。
相手の夢の中にこっそり金庫を与えることで、うっかりと重要な情報をその中におさめてしまう性質を利用し、金庫の中を覗き見ることで相手が隠していることを見つけ出すことができる。
しかし、相手もそのことを知っているゆえに、夢は二重三重にも仕掛けられ、どこまでが夢でどこからが現実かわからなくなる。

主人公コブはその夢盗人の達人。しかし標的のサイトーはその上を行くやり手で、企業からの注文作業に失敗する。追われるコブは逃亡を企てるが、彼に手を差し伸べたのが、意外にもサイトーだった。あまりにも人間的なコブの願い。妻殺しの容疑で国外逃亡をしているコブは残してきた2人の子どもにただ会いたい。サイトーはその願いを叶えさせる約束で仕事を依頼する。夢盗人ではなく、標的の脳内に暗示を埋め込むこと。それがインセプション。三重の夢の中に潜在意識を植え付けることで、植え込まれたと気づかれずに相手の行動を制御しようという。

コブは5人の仲間を集め、観察者として加わるサイトーを含めた6人で標的の夢の中に入り込むが、そこでは予定にない出来事が起きた。一つは標的が防御対策を取っていて、無数の護衛がついていたこと。一つはコブ自身に他人に言っていないトラウマがあったこと。夢の中で死ねば、本体は死を意識して、肉体は生きていても精神は戻って来れなくなる。極限の世界の中で、生死を賭けた攻防戦が始まる。

見ている者もどこまでが夢なのかわからなくなる。また現実で5分の出来事が夢では数時間の出来事になることから、3重の夢での世界で時間感覚が相当狂ってしまう。そのギャップが時には命取りにもなり、時には起死回生の手段にもなる。また現実での小さな出来事が夢の世界にも投影される。現実で水をかぶれば夢ではどしゃぶりの雨になり、斜めになれば建物ごと空間が歪んだり。夢のまた夢でも同様の現象が起きる。想定外の出来事がまるでスパイ大作戦のパニック状態のように、ハラハラ感をもり立てる。救いは時間感覚がずれること。

夢自体が総天然色というのは現代的。色つきの夢を見たことなどかぞえるほどしかない。たいてい。これは夢だとわかってしまう。この映画はその上手をいって、これは夢ですよ、と教えることでうまく相手に取り入ってしまう計画性もあったり。

007等のスパイ映画なみのどきどき感と共に、やけに家庭色ぽいディカプリオの物語があったり。こういう部分、アメリカ的なんだろう。企業やミッションや最先端科学やとか言っても、究極的には家族が一番だという。ミッションが成功して、この先この企業がどうなるのか、そんなことは知ったこっちゃない、という開き直り方がすごい。

でっちあげられた夢は何が起きるか判らないが、自分で見る夢は記憶にあることしか見られない。記憶にない事態が起きた時、それが現実だと知らされる。アイテムに頼るのではなく。
ラストではそんなメッセージがこめられているような。
あるいは、現実と思える出来事も実はすべて夢の出来事に過ぎないのかも、という。

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