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書評「サファイア」 [書評・映画評]


サファイア (ハルキ文庫)

サファイア (ハルキ文庫)

  • 作者: 湊かなえ
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2015/05/15
  • メディア: 文庫


7つの宝石に関わる短編集。

連続放火犯人として自首してきたのは、優しい夫と素直な息子を
持つ、生活に何の不満もない主婦だった。彼女が犯行のいきさつを
語る相手として指定したのは、ある化粧品会社の苦情処理担当の
人だった。
……「真珠」

実家の裏に建った訳ありの老人ホーム。その6階に住む住人と
実家の母との奇妙な交流。独身アラサー妹から話を聞いた姉は、
ピンと来て、廃刊予定の雑誌に載せるはずだったある殺人事件の
話をするのだった。
……「ルビー」

レストランのガラス扉に激突して脳震盪を起こし、踏みつぶされ
ようとした雀を助けた男に、雀は一週間の期限で人間の姿になり、
結婚詐欺師にだまされようとしていた男に恩返しをするのだった。
……「ダイアモンド」

隣家の行方不明の猫を見つけ出したことから、隠し事のない
仲の良い3人家族のそれぞれの秘密が暴かれていく。
……「猫目石」

DV旦那を殺した主婦の前に現れたのは、中学時代に自らが
手をさしのべてイジメから脱却、将来の希望を見いだし、
弁護士となって活躍していた親友だった。「走れメロス」が
モチーフとなった物語。
……「ムーンストーン

人生で最初で最後のおねだりをしたことが悲劇となってしまった。
……「サファイア

冒頭、この本の作者をイメージするような批評から始まる、
ある小説家の物語。「サファイア」で後悔と絶望に立たされた
ヒロインが、その後も苦しめられて、心に積もる思いを
小説に書いたことから生まれる奇跡の物語。
……「ガーネット


一番良かったのは「ムーンストーン」かな。学校でのイジメ
問題を多く書く作者が、珍しくそこから乗り越える話で、
情けは人のためならずというのは出来杉だろうけれど、
最終的にすべて良しとなるかどうか不明な段階で物語が
終わっているのがいい。
「猫目石」って、物語の中に宝石出てきてたかな?
でも、オチがさえてる。お互いの秘密を知ってしまった
家族が、それを越えた上であえてブラック的に結末を
つけて、この作者らしいオチで面白い。
「真珠」では、登場人物二人の関係が謎みたいに言われている
けれど、最初から場面想定は出来てしまって、何も驚か
なかった。もっとも、なんでただの会社員が弁護士みたいに
犯人の犯行を聞いているのか読んでいる時はわからなかったが。
それと連続放火の必要性もよくわからないけれど。

「ガーネット」は蛇足かもしれない。あまりにも話が出来
すぎている。作者の言い訳なんだろうか。一般の小説なら
それでもいいんだが、この作者のカラーにはあっていないな。
作中作の「墓標」という小説、読んでみたいなと思ったが、
「告白」を読めってことなのかな。もう読んだけど。


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