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書評「狂骨の夢」 [書評・映画評]


狂骨の夢 (講談社ノベルス)

狂骨の夢 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/05/09
  • メディア: 新書


妻を捨て愛人と逃げた男は首を切られた死体で発見された。
追いかけた妻は首を持った愛人と橋の上で再会、もみ合う打ちに川に転落、意識を失う。川から助け出された女は記憶を無くしていた。助けた小説家と夫婦関係になって8年。戻ってきたと思われた記憶は、まったく異なる2つの幼少期の記憶であり、髑髏にまつわる夢に悩まされる。そして男を殺して首を切り取った記憶。
そして時を同じくして死んだはずの男が復員服を着て訪れ、男を殺して首を切り取ったのだが、何度も復員服の男がやってきては首を切り取っていく。

同じ頃、その地域で髑髏にまつわる異常現象が発生。そして幼少時から髑髏を中心とした性行為集団の夢を見続ける男が教会に世話になるが、その教会の牧師も幼少時の髑髏にまつわる異常体験をして救われない日々を送っていた。

そんな仲、女を助けた小説家が殺される事件が発生。陰陽師京極堂が乗り出すことに。事件の中心は明治初期の某有名宗教団体の事件から南北朝時代のことがら、さらには神話時代まで関わった壮大な物語となる


シリーズ第3段。毎回登場人物が増えていき、誰が主人公かもはやわからない。
前作で名前だけ登場した人物が語り手の一人として登場するが重要人物ではないことだけは確か。
登場人物が多すぎる割りに混乱が生じないのは、一人一人のキャラがはっきりしているためだが、言い換えれば詳しく描写をしすぎてその分本の厚みが増していく。とにかく読みづらい。殺人事件が最後の方に出てきて、それまでは何が事件なのかさっぱりわからず、何を解決したいのかさえわからない。

最後に京極堂が関係者を一堂に集めて謎解きを行うのだが、説明が長ったらしくて飽きが来る。よく事件の関係者がいらだたないものだと感心する。

結局はラグビーよろしく、髑髏を巡って5つの思惑が髑髏を奪い合いをするというだけの物語。京極堂じゃなくてもばかげた話だと思ってしまう。

余談ながら、これは映像不可能ですね。映像化するととたんにネタバレしてしまう。

実際には同じ年頃の女性が2人出て来るのだから、幼い時の記憶はその二人の記憶が合体した物と予想できる。しかしなぜ弐拾人格的になるのかは謎なのだが、そこをつきつめると、語り手が複数なのも意味があるのではないかと思われる。彼等が出会った女性から聞く話が微妙に違和感が生じている。たとえば男を殺す場面、一人が聞いた話では、女は男を殺す場面を記憶しているのだが、別の人物が聞いた話では男が殺された時には一日中憲兵に取り調べを受けているというアリバイが成立していて、その場面を見ていないはずだとか。
二人の女性が出会ってもつれ合って、妻が愛人の首を絞めるのだが、どうなったのかははっきりしていない。二人の記憶がからまったのは女が死んで霊が乗り移ったためではと思わせるが、それならミステリーにはならない。どう結末を付けるのかと思ったが、謎解きを聞くと一応納得は出来るが。なんとなくだまされた気分になったり。まあ大きな勘違いが起きて、結局はそこから来る悲劇になるのだが。

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