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書評「鉄鼠の檻」 [書評・映画評]


鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/01/05
  • メディア: 新書


どんな書物にも記録にも記されていない箱根の山奥にある謎の禅宗の寺で起きる連続僧侶殺人事件。ある目的のためその寺を訪れようとしたシリーズの登場人物一行の目の前で事件は起きていく。
その寺に一番近い辺境の地にある宿は、第1巻「姑獲鳥の夏」で事件の発端となったあの日に家族一行が保養に訪れた宿であり、「姑獲鳥の夏」の事件関係者が2人も登場。その事件の最終解決もなされていく。

また主人公一行の知り合いである新規人物が登場。冒頭はその人物の紹介も兼ねた独白で始まり、少々退屈かと思いきや、すぐさまに一行の目の前の庭で突如死体が降って湧いたように現れるミステリーが置き、それは呼び出された例の探偵によってすぐに謎解きはなされて退屈にはさせないという表現上の進歩が見られる。
もっとも誰が何のためにというミステリーは残されて、刑事を含めた一行がくだんの寺に向かうという展開もあるのだが。

主人公グループで1名、東京の刑事だけが今回登場しないが、彼はまったく同じ時に東京で起きている連続殺人事件にかり出されていたという話が次巻で明らかにされるのだが。

わかりづらい禅宗の宗派の状況が丁寧に説明されて歴史の勉強になる。まあ難しい仏教用語の連発ではあるが。
結果的には理解できないであろう犯人の動機に、これまた理解しにくい犯行現場の状況とか、説明はあっても、はあそうですか、と言うより他はない。
息をもつかせない展開でページがどんどん進んだのだが、最終的にあの謎の人物が、世間の噂通りのはずがあり得ないと思われているのに、結局は噂通りだったのはどんなものだろうか。これなら、あの殺された僧侶の犯行の意味がなかったりして。

あんな動機で犯罪が行われていたのなら、これまでも何人もの僧侶が殺されているはずなんだが、そこは不問に付されているのかな。戦争をまたいでいるから不明なことも多い時代だったのかもしれないが。

悟りを開くのが禅宗なら、結果的に事件を担当したあの刑事が悟りを開いちゃったりして。


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