So-net無料ブログ作成

映画「3月のライオン後編」 [書評・映画評]

3月のライオン2.jpg
「3月はライオンのようにやってくる」というイギリスの諺から
付けられたこの物語だが、この諺には後半があり、「そして
子羊のように去って行く」というのが後編の副題となっている。

前編が期待はずれだったので、まあラストをどう持っていくのか
という関心だけで見たのだが、原作がまだ描いていない、読者が
まだ知らない部分が思ったよりもよかった。で、腑に落ちたのだが、
前編荒削りを後編で収束させるという手法を監督が採ったんだなと。

原作にある部分での描写に関しては、付け加えた部分が蛇足で
あったり、舌足らずであったりと、不満点も多いのだが。
たとえば川本家が被る受難などはあっけなさすぎたり、主人公が
からまないまま解決して、それでいいのかと思ったり。
もっとも、原作でもあるのだが、主人公の独りよがりと空回りが
本当には直接の解決にはつながってはおらず、逆に主人公が
そのことを通して成長していくというのが短くても伝わってくる。
ラストの持って行き方、主人公が助けようとして、実は助けられて
いたということに気づくという主題の捉え方はいいと思う。

まあ本当はもっと描いて欲しかった部分は多いのだが。
たとえば修学旅行の場面とか、台風での出来事とか。
感想戦で名人と対話が成立していたとか。尺の問題なんだろうが。

作者から結末を聞き出して作ったということで、ちょっと不安では
あったのだが、こういう終わり方、この後どうなるのだろうかという
疑問を残して終えたのはよかったと思う。

原作を知っている人なら、前編を見ないで、後編だけ見た方が
いいかもしれないと思ったり。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

TV「リバース」 [見たよ聞いたよ]

気持ち悪くて仕方がない。いわゆるムズムズするという感じ。
原作は面白かったのに。

番組始まる前の紹介で、かなり設定を変えていることを聞いて、
何で変えるのかなと、疑問だったし、違うんじゃないの、と
思ったりもしたけれど。

まずなぜ「10年前」にあいたんだろうか。蒸し返しすぎ。
死んだ人間、原作では身長185cm。そしてエピソードでも
体格あるからこその話が出て来るのに、違うでしょ。
この先どうするんだろ。

そしてあまりにもミステリーぽすぎる。
元刑事がしゃしゃり出てくるような事件じゃないでしょ。
結論出て、どうするんだろね、彼は。引っ込みつかないでしょ。

何で事件を冬山にしちゃったんだろ。原作は夏山なんだけど。
車が動かせなくなって途中で捨てたのに、どうして迎えに
動かせたんだよね。話合わない。あの場所じゃUターンも
難しそうなのに。

怪しい男登場させちゃって、原作を変えるのかな。
よっぽど事件にしたいのかも。

余計な登場人物追加しすぎ。話が散漫になりそう。
10年間みんな不幸の中にいるようで、救いようがない。
これじゃあ解決のしようがないじゃない。

いやあ、ただただ気持ち悪いとしか言いようがない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

書評「リバース」 [書評・映画評]


リバース (講談社文庫)

リバース (講談社文庫)

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫


TVドラマ開始前に読んでおこうと思った。

湊かなえという作家は不思議な作家である。その作品の多くが依頼を受けて書かれる。ある時はラジオドラマの脚本として、ある時はTV局開局何周年記念ドラマとしてその局の名物番組を作品内に織り込んでとか。
そして、この作品は、出版社からラスト1行を指定されたとか。曰く、ラスト1行での大どんでん返し。ネタバレになるので、それ以上の詳しいことは書けないが。

今回はこの作者にしては珍しく男性が主人公。
しかし読み始めて実に気持ち悪い。全体的に気持ち悪い部分が2カ所あったのだが、読み終えてみると、実はその2カ所がこの作品の重要ポイントだった。だから、最初に感じた一つ目の気持ち悪い部分から、読みながら犯人がわかってしまった。ついでながらラスト1行のどんでん返しも、最後まで解消されなかったもう一つの気持ち悪い部分が原因だったということで、最後の一行で解消されることに。

第1章で現在の状況が簡単に語られ、何やら曰くありげな出だし。実に気持ち悪い。そして第2章で3年前に起きた事件のことが語られていく。
はっきり言って、主人公が付き合っている女性に事件のことを語るのがこの章なんだけど、こんなに会話の一つ一つまで語るはずがないと思われる。この部分、小説的には逆にした方が自然なんだけどと思ってしまった。
第3章以降は素人探偵が事件を調べていく。途中ミスリードも入れているのだが、ミステリー読み慣れている読者はまず引っかからない。

主人公がもう一つ感情移入しにくい性格をしているのだが、それもまた計算の内だとわかっていく。真相に近づいていく過程でそれがわかっていく。TVドラマでは主人公は藤原竜也なんだが、彼でも悪くはないけれど、読みながら佐藤健が浮かんでしまった。
TVの宣伝で共演がデスノート以来の戸田恵梨香とあって、読みながら、それを書いちゃえばネタバレになってるじゃないかと、突っ込んでしまう。
事件で亡くなる人物を小池徹平がやるようだが、本を読んでいると全然合わないように感じてしまうのだが、まあTVドラマはいろいろ設定を変えるからいいのだろうか。何しろ原作では3年前の事件のはずなのに、TVドラマでは10年前の事件になってるし。ちょっと10年は長すぎるんじゃないかと。

しかしさすがは湊かなえだなと。最初は気持ち悪さが勝っていたが、どんどん引き込まれるし、読み終えると、その気持ち悪さも伏線になっていたことがわかって、恐れ入りましたとなる。

ついでながら公立学校では備品消耗品の購入は手続きもあって、業者に注文してきちんとした書類が必要なので、気軽に町の文具店や百均屋は使えないことが多いので、そこんところは別に不自然でも癒着でもないんだけど。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

映画「3月のライオン 前編」 [書評・映画評]

3月のライオン.jpg
絶賛する声が大多数の中、あえて言おう。期待はずれだったと。

内容はいい、確かに。しかしそれは原作がいいだけ。
将棋ファンでこの映画を見た人は100%原作コミックを読んでいると
言ってもいいだろう。原作は素晴らしいのひと言につきる。
そしてコミックからそのまま抜け出したようなキャスト。これは
絶賛物である。

しかし、映画だから映画オリジナルな部分があるのは当然だが、
残念ながらそのオリジナルの部分すべてがこの物語をだめに
している。監督は何もわかっていない。

対局シーンは嘘はない。しかし設定が大嘘。
後藤や幸田がタイトル戦で宗谷と戦った話などどこにもない。
また、新人王戦決勝のあの会場は何だ?
まるで地下の秘密組織での対局。だめでしょ、あんなの。

時間の関係で三番勝負が1局しかやらないのはしかたないと
しても、それでは盛り上がりに欠ける。主人公がサブキャラ扱い
していた島田に触れていく展開がおそまつ。研究会入りが
唐突すぎる。
また二階堂の物語ももっと深い話なのに、実に簡単になって、
友情物語が軽すぎる。

宗谷と島田のタイトル戦。ラストで主人公が走って行く場所は
控え室のはず。対局場に走って、彼は何をしたかったのか。
まさか助言しようなどということはないでしょうね。
おまけに対局終わって十分な感想戦もなしで名人が場を離れる
など、ありえない。感想戦をきちっとやって、駒を片付けるまでが
対局のはず。何ですか、あの礼儀知らずは。

ストーリーの順番を変えるのは仕方がないとは思うが、後編が
不安で仕方がない。
後編のあらすじを見ると、またまた原作にはない余計な話が
入っているような。

おまけに、まだ連載中の作品を、無理矢理原作者にラストを
聞き出して映像化するなんて、何様だと思ってるんだよ。
別に前後編2部で無理矢理終わらせなくってもいいでしょう。
もっといえば、途中で終わっても誰も文句は言わないと思う。

正直言って、後編を見たくないと思っているのだが、文句を
付けるためにも見た方がいいかも。でもきっと後悔するだろう。


ということで、前編は公開してから早めに見たにもかかわらず、
今まで感想を書けずにいた。でも、後編をやる前にひと言
どうしても言っておきたかった。

コミックの実写映画化にろくなものはない、とあらためて
思った。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画
メッセージを送る