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コミック「将棋めし 2」 [書評・映画評]


将棋めし 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

将棋めし 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

  • 作者: 松本 渚
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: コミック


TV局も大変である。

空前の将棋ブーム。何と言っても藤井総太四段の活躍に負うところが大きいが、TV局が彼を追いかけても、流す除法は限られている。プロフィールとかは一度流せばそれで終わりだし、戦局等の専門的な内容は、視聴者には難しすぎる。で、マスコミが取り上げたのが、今日は何を食べたのか、何を注文したのか、どの店からとったのか。いわゆる「将棋めし」。

ということで、こんなコミック成立するのかと思われたこのコミックが、やにわにクローズアップされることに。関東ローカルでは実写ドラマ放映中とか。関西でどうしてやらないのだろうか。

で、好評の第2巻が本日発売されることに。

しかしこの先は現実にはとてもやばいことに。
昨年から、かねてから懸案になっていた対局中の外出が全面的に禁止になってしまったので、対局中の棋士が外の店でどんな食事を取り、どんな会話をしているのか描けなくなってしまった。これまでは性善説で、対局の席を離れて不正行為をしている棋士などいるはずがないとされていたのが、不正疑惑事件が実際生じてこういうことになったのは、ある程度仕方がないことではあったのだが。

まあ出前でもいいことだし、対局中でない棋士がたまたま同じ食事を外で食べると言うこともありえるから続けられることには違いないが、元々いつかは行き詰まるかもしれないという心配は最初からあったのだが。

前巻では描かれた物語中では全勝だった主人公も今回は敗局もあるので、ようやくまともな物語にはなったようだ。しかし食事内容以外は専門的すぎて、にわかの将棋ファンにはついていけないかもしれない。
しかし棋士ってよく食べるものだと思う。使うエネルギーは半端じゃないとは言うけれど。

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書評「絡新婦の理」 [書評・映画評]


絡新婦の理 (講談社ノベルス)

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/11/05
  • メディア: 新書


主人公グループ一行が箱根での連続僧侶殺人事件に関わっていた時、唯一登場しなかった東京の刑事木場は東京・千葉で起きた連続目潰し殺人事件にかり出されていた。犯人は特定されているのだが足取りがつかめず、なおかつ被害者に共通点が見当たらず、次の犯行が予想できない。そんな中最後に起きた密室殺人事件での調査で、木場の友人が重要参考人らしきことが判明。会いに行けばちょうど担当刑事が踏み込んだところで、木場に出会ったその男は「蜘蛛に聞け」と謎の言葉を残して逃走。木場は事件重要参考人と友人であることから担当をはずされたが、独自の調査から密室の仕組みを解明。以前部下だった刑事を連れ、犯人達が千葉にある家族が死に絶えて空き家になっている家にいるのではないかという確信を得る。

同じ頃、被害者の一人である教師が勤めていた良家の娘が通う千葉にある女学院では、その教師が呪いによって殺されたという噂が起こる。そして別の犠牲者も学園関係者であり、学内では黒ミサが密かに行われ、「蜘蛛のしもべ」というグループがあることを女生徒である美由紀が知ることに。そして唯一と言える親友がある男性教師から陵辱されて、その男を呪い殺したいという願いからグループを調べるうちに、学内に大がかりな売春グループがあることを知る。そして呪いは現実と成り、学内で連続殺人事件が起きていく。

千葉にたまたまやってきた釣り堀の男は偶然美由紀の祖父と親しくなり、急遽現金が必要とのことで、海から拾い上げた謎の像が売れないか相談。前巻で搭乗した骨董屋に連絡。そしてすぐ近くに最後の女性が首つりをして空き家になった家に電気が灯っているのを見たという話を聞く。
折りから学園の創設者の家で相次いで家族が亡くなっていくという話から、無用な骨董品を始末したいということから釣り堀男と骨董屋はその家におもむくが、そこでまた殺人事件が起きて足止めされることに。

前巻で刑事をやっていた益田は警察署に嫌気がさし、探偵になろうと榎木津事務所を訪ねていた。ちょうど人捜しの用件で訪れた女性と巡り会い、その行方不明の男を3日以内で発見できれば雇っても良いと言われ、知らないことは何もないと思われる拝み屋京極堂を訪ねることに。たまたま榎木津に千葉の学園内の事件の依頼をしに、学園の理事長の弁護士をしている男がやってきて、二人して京極堂の所に向かう。そして意外なことに益田が女性から聞いた話と弁護士の話に共通点が多く見つかり、行方不明の男が学園の雑務係をしていることが判明、学園内で起きている事件の実行犯ではないかということがわかり、こうして京極堂を除くすべての人物が千葉に向かうことに。

事件は複雑な事態に陥り、学園閉鎖や一家絶滅も考えられる辞退と成り、まったく関係性も見られない2つの事件が、実はある人物の念入りに仕組まれた蜘蛛の糸によって仕組まれていることを京極堂は予想。そして、自分もその一端に組み込まれることを承知しながら、ようやく重い腰を上げることに。


相変わらずのとんでもない展開。
で、今度は不思議なことにまたまた主人公グループの一人が登場しない。
いや、事件にまったく関わらなかったため後に関係者一同の話を聞きまくるという、ワトソン役としてはありえない状況がエピローグで語られる。しかしこれにも理由があり、クライマックスで真犯人の計画がすべて完了してしまい、もはや駒が必要となくなったためにここで登場。そして京極堂より、実はこの事件はそれで終了したのではなく、本当の真犯人が別にいて、本当の真相が断片的に語られる。しかしすべては推論で、まったく証拠も無いから断罪できない。結局は京極堂でさえ、真犯人の手の内で踊らされたと言うことが語られる。ワトソン役の本来の主人公はこれを小説に仕上げられるか。

ただし真犯人が彼女だとすればその目的は何だったのか、それが不明となっていく。クライマックスで明かされた「真犯人」の方が動機等がわかりやすい。
まあ、隠された物でさえ見えてしまう探偵の能力のことを知っていて、その裏を掻くという芸当は真の犯人でなければできないことだからそれでいいのだが。

このシリーズを先に読破したうちの娘はこの物語が一番面白かったという。わかりやすいといえばわかりやすいからかも。
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映画「君の膵臓を食べたい」 [書評・映画評]

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原作の設定を少しいじって、12年後の主人公が昔を振り返る物語にしている。その都合上、原作では文庫の後ろに書かれていた「遺書」が、手紙の形で12年後に発見される設定になった。そのため、主人公とヒロインの親友とは12年間話をしないまま過ごしたことに。

そういう変更が気に入らなかったので、最後までイメージが崩されるのが嫌で見るのをためらっていたのだが、本屋で繰り返し流される予告編映像を何度も見続けてしまった。あまりにもイメージ通りのヒロインの姿に、この娘は誰なんだろう、と興味引かれて、浜辺美波と知って、ああ、「エイプリスフールズ」で実の父親に誘拐される少女演じてた子だとわかって、ずいぶんイメージ変わったなと、彼女見たさに見ることにする。

結果、脚本家の勝利だった。

12年後の設定以外はほとんど原作通り。何より主役を演じた二人の男女がイメージぴったり。その12年後、親友の女の子の結婚式があるのだが、新郎も原作の中でそれらしく触れられている男だったから納得できたし、新たに追加された12年後の生徒も物語を深める役目をしっかり果たしていて、好感持てた。


物語は、ヒロインが亡くなって12年後、母校の教師として赴任してきた主人公が、思い出の図書館が改築されることになり、本の整理を任され、かつての自分によく似た図書係の男の子に思い出話を語る物語になっている。
そして、その整理中に彼女が残していた「遺書」を発見。12年前の彼女の本当の思いを知ることに。折しもその日は彼女の親友の結婚式の日。12年後の主人公は彼女の残した親友宛の手紙を持って結婚式場に駆けつける。

本の整理を手伝ってくれた図書委員の男の子には、彼に何かとちょっかいをかけてくる、明るく元気な女の子がいる。何だよアイツと思う彼に主人公の教師は、「ナカヨシ」になりたいんだよ」と声をかけ、それで理解した彼は、彼女に声をかけ、お互いの名前を呼び合ってまた明日と別れの挨拶を交わす。そんな彼を見て、自分が教師をやっているのも悪い物じゃないなと思う主人公。この付け加えられたエピソードが物語をしっかり押さえてくれている。いい終わり方を見せてくれた脚本家に拍手したい。

映画始まってから終わるまで涙が止まらなかった。

蛇足
「銀魂」を見た後でのこの映画、ギャップが大きすぎるよね。
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